小学3・4年の栄養のポイント
質の良い食事を3食きちんと取らなければ、栄養の偏りが成長に大きく影響する時期です。特に成長に影響する栄養素(タンパク質、カルシウム、鉄)はしっかり食事から補う様にしましょう。また、成長にはエネルギーも必要です。エネルギーは、脂質など油ではなく、ごはんなどの炭水化物をしっかり食べる事がおすすめです。食欲も旺盛で何でも食べてしまう年齢で、ついつい間食でポテトチップスなどの油脂類の多いお菓子を食べがちですが、バランスの良い食事をしっかり食べて、しっかり運動をさせて骨格を発達させるようにしましょう。小学生中学年で必要な栄養素は次のとおり。
(小学3・4年の適量の目安 Kcal)
小学生 | 男 | 女 | ||||
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | |
1日 | - | 1950 | 2200 | - | 1800 | 2000 |
朝食 | 550~650 | 500~600 | ||||
昼食 | 600~700(給食) | 550~650(給食) | ||||
間食 | 100~150 | 100~150 | ||||
夕食 | 600~700 | 550~650 |
(小学3・4年の栄養バランスの目安 1日当たりのg数)
小学生 | 男 | 女 | |||||
主食 | 530 | 490 | |||||
主菜 | 卵 | 50 | 50 | ||||
魚介 | 120 | 100 | |||||
肉 | |||||||
豆・ 豆製品 |
80 | 80 | |||||
副菜 | 野菜 | 300 | 300 | ||||
イモ類 | 60 | 60 | |||||
果物 | 200 | 200 | |||||
牛乳 乳製品 |
330 | 330 |
小学3・4年の栄養と食育のポイント
テレビを見ながらの「ながら食い」は、何をどれだけ食べたのか、そしておいしさも半減ます。食事に専念するため、親がTVを見たくても我慢し、食事の楽しさを共有するようにしましょう。また、この時期は親や教師への信頼感が揺らぎ始める時期でもありますので、食事のマナーなどは抑えつつ、食事の場を説教の場としないようにしましょう。また、この時期まで野菜嫌いなどが残っていると、ミネラルやビタミンなどの不足が様々な体の不調をきたします。そして、箸も上手に使えるようになっている時期ですから、箸の使い方をさらに進化させるために、魚などの箸の細やかな使用を必要とするものを積極的に取り入れるようにしましょう。
小学3・4年お父さん・お母さんからある質問
- 息子の身長が低いのが心配 : 子供の身長は。遺伝的な要素も大きく影響していますが、成長期に十分な栄養と運動も影響していると言われています。特に骨を強くするためにもカルシウム、鉄、マグネシウムをしっかり取りましょう。また、成長にはエネルギーも必要で、できれば油脂類ではなく炭水化物を多く取りましょう。エネルギーの過剰摂取は肥満の原因になります。体重が増減したら食べる量も調整すると良いと思います。
- お菓子を食べてしまう : 成長期は1日3回の食事だけでは足りず、お腹がすいて仕方ない時期でもあります。不足したエネルギーを補う効果もありますので我慢させず食べさせましょう。ただ食べ過ぎには注意です。夕食が食べれなかったり、太ったりしたときはおやつの中身を調整しましょう。たとえば、お腹に溜まりやすいイモ類や果物にしたり、油脂類のお菓子を減らすと良いでしょう。
- 子供の偏食に困っている : この相談は多いですが、ポイントはあまり無理させない事です。偏食の原因の多くは、過去のトラウマが影響していると思われます。嫌なものを無理に食べさせるのは本人も苦痛ですし、ご両親も大変です。その食品が食べれなくても同じような成分の食材は色々あります。嫌いな食材にこだわらず、同じ作用のある食品でも栄養学的には問題ありません。また、偏食は年齢と共に改善します。嫌いな食材そのものではなく、ミキサーにかけたり刻んだり甘く煮たり工夫することで食べれる様にもなります。
- 子供のコレステロールが高い : 最近、多い相談内容です。コレステロールは食事由来のもと体内代謝の異常によるものがあります。食事での改善では、コレステロールの多い食品を控える事とコレステロールを体外に排出を促す方法の2点があります。前者は、記載の通りでコレステロールが多い食品を食べない事です。しかし、コレステロールも体内で必要な栄養素で細胞膜の材料や免疫に作用します。全く食べない事は、免疫力の低下などお勧めしませんが、口から摂取する量を減らす事は必要かと思います。もう1点のコレステロールの排出を促すのは、食物繊維を多く摂取し便と一緒に排出しましょう。あまりにもコレステロール値が高い場合には医師の診察と投薬による治療もあります。
年代別の必要な栄養量と食事のポイント
- 幼児期に必要とする栄養量
- 小学生低学年(1・2年生)が必要とする栄養量
- 小学生中学年(4・3年生)が必要とする栄養量
- 小学生高学年(5・6年生)が必要とする栄養量
- 中学生(12から14歳)が必要とする栄養量
管理栄養士が食育について詳しく解説
食事のバランスと適量
私たちの周りには、様々な食品があり、好きな時に好きなものを好きなだけ食べる事ができます。しかし、好きな物だけ食べては偏った食事になり肥満や痩せの原因になります。バランスの良い食事を心がけましょう。
成長期の適量の基礎知識
学童期をはじめとする成長期には、体の骨格が急成長します。その際に成長に必要な多くの栄養素を必要とします。しっかりした体を作る為、必要な栄養素はしっかり食事から補給するようにしましょう。
心身の発達と食習慣
食事は、空腹を満たすものと現代の若い人たちは思いがちですが、食事は家族団らんの場でもあります。できるだけ家族で一緒に食事をするようにしましょう。
病気にならない食事
古くから中国では、医食同源という言葉があり、食事は治療の一部であると考えられてきました。しかし、現代社会では過剰な栄養摂取は病気の原因でもあり正しい栄養管理が必要です。
食べた物はどこへ行く?
私たちが食事で摂取したものは、胃腸で消化・吸収をされます。そして、消化吸収されなかったものは便として排泄されます。便の状態で体調を知ることもできます。
食の安全対策
毎日の食事が安全で安心して楽しめるように色々な仕組みで衛生的な食品を供給する事ができます。そんな仕組みについて説明をしています。