食育大辞典|小学１年・小学２年の栄養と食育

小学１・２年の成長と栄養と食事のポイント

家庭中心の生活環境から学校への公の場への生活の変化の時期です。自己中心で親にすべてを依存していたものが、自立心や仲間意識が芽生えます。この時期は親子の食事の嗜好が一致する時期であり、親が子供に合わせて食事をするのではなく、親の食事を子供に食べさせるという傾向が強くなる時期です。そのため、塩分、糖分、動物性たんぱく質などの取りすぎや、野菜嫌い、朝食抜きなどの偏食や食生活の乱れが現れます。大切なことは、親の食生活は子どもの食生活ということを認識し、食生活の変容を親自身から始めることです。どの年齢の食事指導する時に共通して説明しているのは「栄養は質・量・タイミング重要です。」

必要な栄養量を摂取する

小学生低学年の栄養指導だけではなく全てのヒトに対して言えますが、必要とする栄養量より多く食事から栄養摂取すれば太るし、逆に食事量が少なければ痩せます。なぜ、太るかを簡単に説明すると消費エネルギーより摂取エネルギーが多いからです。肥満は体脂肪が異常に蓄積した状態を言うが、特に門脈周辺に体脂肪が蓄積する腹腔内脂肪蓄積型肥満は、インスリン抵抗性が出現しやすく、２型糖尿病の誘因となり注意が必要です。かつて、２型糖尿病は、過食、運動不足、肥満を介して成人に発症すると考えられていたが、近年、食生活の欧米化と肥満の増大に伴い子どもたちの中にも見られるようになってきた。肥満によりインスリン抵抗性が起こると、その代償としてインスリンの分泌は活発になり、インスリン濃度が上昇し、その変化は食生活など生活習慣病の原因と言われています。一方、痩せた子供も増加しています。多くは、痩せへの憧れが多いですが、親が成長期に必要な食事を提供していないケースもあります。小学生低学年は、心身ともに成長し食習慣など生活習慣が定着する時期であるだけに正しい食事を提供することが非常に重要なります。

好き嫌い無く、偏らない食品の選択

私たちヒトは、動植物を食べ体内で代謝を繰り返し生命活動を維持する事ができます。必要な栄養素は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど５０種類近くになると言われています。これら全ての栄養素が過不足にならないような食品選択をしなければならない。しかし、そんな事は出来るはずもなく私たちの体は貯蔵する機能があり、バランス良く定期的に色々な食品を摂取する事で対応しています。その為、、特定の食べ物や調理法に偏らないで、好き嫌い無く、いろいろなものをまんべんなく食べることが適正な食品選択の基本となる。生活習慣病になりやすい食習慣の特徴を整理すると次のようになるので、このような食習慣が形成されないように食に関する指導をすることが重要です。

味付けは薄味を基本に

小学生低学年の時期には、食習慣が形成される時期でもあるので、日頃から薄味料理に慣れさせることが大切である。食塩の過剰摂取の習慣は、高血圧などの疾患の原因と言われています。特に、食塩感受性高血圧の場合は、腎臓におけるナトリウムの排泄機能が低下している中で、高濃度の食塩を摂取し続けると血液中のナトリウム濃度が上昇し血圧が上昇すると考えられている。規則正しい食習慣人の代謝には、ある一定の日内周期リズムがあり、神経系や内分泌系の日内変動により営まれている。

(小学１・２年の適量の目安　Kcal)

	男			女
	Ⅰ	Ⅱ	Ⅲ	Ⅰ	Ⅱ	Ⅲ
１日	-	１６５０	-	-	１４５０	-
朝食	４００～５００			３５０～４５０
昼食	５００～６００（給食）			４００～５００（給食）
間食	１００～１５０			１００～１５０
夕食	５００～６００			４００～５００

（小学１・２年の栄養バランスの目安　１日当たりのｇ数）　　　　　　

		男	女
主食		４３０	３８０
主菜	卵	５０	５０
	魚介・肉	１００	８０
	豆・豆製品	８０	６０
副菜	野菜	２７０	２７０
	イモ類	６０	６０
	果物	１５０	１５０
	牛乳乳製品	３３０	２５０

小学生低学年の食事　献立作成のポイント

　歯が生え換わる時期でもありますから、ゆっくりかんで食べる習慣をつけさせることが大切です。咀嚼は消化吸収や栄養素の利用効率を高める働きがあります。さらに、虫歯予防や歯ぐきやあご、脳神経の発達に大きくかかわります。　そのため、咀嚼するということを意識した食事を用意するということが大切となります。ひき肉などを使用したハンバーグなどだけではなく、小魚なども取り入れることが大切です。また、色彩に関しても発達する時期でもありますから、さまざまな食材を彩り取り揃えることが重要です。