食欲不振はどうしておきるの
食欲は、空腹感とはまた少し異なるもので、脳の視床下部にある摂食中枢、満腹中枢によってコントロールされています。美味しそうなものを見たり、食べ物のにおいがすると摂食中枢が刺激を受け、食欲が出ます。そして食事によっておなかが一杯になると、満腹中枢が働いて食欲が止まります。これら両中枢のはたらきには、さまざまなものが関係していて、胃腸や食道はもちろん、肝臓や心臓、肺など、ほとんどの内臓のコンディションによって食欲は影響を受けます。とくに、体力を消耗して胃腸に負担がかかると、食欲は確実に減退します。また、精神的な原因で食欲がなくなることもあります。
食欲不振のタイプは大きく分けて2つ
- 徐々に食欲がなくなる : 過労やストレス、睡眠不足、食べすぎ、飲みすぎなどのときには、生理的なバランスやリズムが乱れ、食欲がなくなったり、からだがだるくなったりします。また、若い女性に多いケースですが、精神的な要因から食欲がなくなることも少なくありません。気分が落ち込んで眠れなくなったり、体重が大幅に減って月経が不順になったりするような場合は医師に相談してみましょう。
- 急に食欲がなくなる : 突然食欲がなくなったとき、みぞおちが痛いような場合は、まず急性胃炎による症状が考えられます。その原因のほとんどは、暴飲暴食、ストレス、過労などによるものです。また、食欲が急になくなるとともに吐き気や下痢、発熱などの症状をともなう場合は、ウイルス性の急性胃腸炎が考えられます。このほか、月経が止まって急に食欲がなくなった場合は妊娠の可能性もあります。
子供の食欲不振の原因
子供における食欲に大きくかかわる要因としては、身体的要因と精神的要因があります。「栄養が偏るのでは」とか「成長に影響ができるのではないか」という心配から、ついつい食事を強要しがちになることが逆効果になり子供の食欲が無くなることがあります。お父さん、お母さんは、子供を丈夫で健康な体になってほしいと色々な食品を食べさせたい気持ちはわかりますが、あまり親の考えを子供に押し付けず子供の自主性を見ながら気長に接してください。食欲不振の原因は他にもあります。例えば、身体的要因では、のどが痛い、口内炎が痛い、など様々です。心的要因としては、説明したとおり食事の強要やしつけの厳しさにより食事そのものが楽しくなくなってしまい食欲が減退してしまうもの。また、食事を作る側として、味そのものや、色などの見た目など食事そのものに原因がある場合もあります。成長期の子供の食欲不振の最大な原因は「間食」です。成長期の子供は、朝・昼・夜の3回の食事では、1日に必要な栄養素を十分に補う事はできず、間食(おやつ)を上手に取り入れ必要な栄養素を確保します。しかし、間食を食べ過ぎたり、油脂類が多い間食ですと胃の中が満腹のまま夕食の時間になります。間食は、あまり食べ過ぎず、油脂類の少ないものがおすすめです。
子供の食欲不振は身体的・心理的要因の2つがある
身体的要因 | 精神的要因 | |
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子供が食欲不振の時のアドバイス
- 少量を持って、食べられたら褒める : 「全部、食べられた」という達成体験は次の食欲をよび、更なる食欲を呼び覚 まします。
- おやつの食べ過ぎに注意 : 食事とおやつの時間をしっかり空け、しっかりと運動をさせるようにしましょう。
- 食事の量を強要しない : 食事をとる量は気にしないようにしましょう。残すようであれば、少し量を減らしてあげ、食欲を掻き立てるような手段も必要です。
- 楽しい食卓 : やはり、一番必要なことは食事の環境です。楽しい食卓こそが最良の食欲増進要因です。食事の色、食事の内容も必要ですが、それ以上に団欒が大切です。
食欲不振の時の食事のポイント
料理 | ポイント | 調理のヒント | |||
主食 | 食べられる量に調整する。 麺類などはのど越しがよく食べやすいので活用するとよいでしょう。 |
・ご飯は小さめのおにぎりに ・パンは一口大にすると食べやすい。 |
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主菜 | 栄養価の高い、卵、肉、魚、大豆製品などは少量でもよいので組み込みましょう。 | ・楽しい形や色どりなども構成を考えましょう。たくさん食べられない場合は、野菜もからめてスープがよいでしょう。 | |||
副菜 | 好きな野菜を中心に料理を構成し、嫌いな野菜も食べられる工夫をするようにしましょう。 | 野菜や、イモ類は、ハンバーグなどに刻んで入れる。また、煮てとろみをつけてのど越しをよく。 |
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その他 | 間食も子供にとっては大切な食事の一部です。内容もよく吟味し食事と同じように扱いましょう。 | 間食は、内容はしっかりと、でも食感や見た目はスナック感覚に。 |
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食事のバランスと適量
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成長期の適量の基礎知識
学童期をはじめとする成長期には、体の骨格が急成長します。その際に成長に必要な多くの栄養素を必要とします。しっかりした体を作る為、必要な栄養素はしっかり食事から補給するようにしましょう。
心身の発達と食習慣
食事は、空腹を満たすものと現代の若い人たちは思いがちですが、食事は家族団らんの場でもあります。できるだけ家族で一緒に食事をするようにしましょう。
病気にならない食事
古くから中国では、医食同源という言葉があり、食事は治療の一部であると考えられてきました。しかし、現代社会では過剰な栄養摂取は病気の原因でもあり正しい栄養管理が必要です。
食べた物はどこへ行く?
私たちが食事で摂取したものは、胃腸で消化・吸収をされます。そして、消化吸収されなかったものは便として排泄されます。便の状態で体調を知ることもできます。
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毎日の食事が安全で安心して楽しめるように色々な仕組みで衛生的な食品を供給する事ができます。そんな仕組みについて説明をしています。